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「JR津山線はいいぞ」は、岡山と県北津山を結ぶ地方交通線。非電化で、気動車の走る路線です。私鉄の中国鉄道として開業後、国鉄・JRと120年を経て、里山の中を巡り続ける、地域公共交通と、都市間連絡を担う「JR津山線■」を中心に、発信(応援)するサイトです。
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岡山・津山間のバス(戦前・戦中)
岡山・津山間のバスは、
大正9年に津山の巴商会が運行を始めたのが起源とされ、昭和初期には、9往復/日運行されていましたが、その後、山陽自動車に合併されます。当時の様子はこちらから
昭和14年には、山陽自動車を中国鉄道に合併し、昭和19年の鉄道の国有化迄、鉄道・バス兼業が続きました.
その中で昭和18年の企業整備令によって数社を合併、路線網を広げていきました。
岡山・津山間のバスの戦後の姿については、本サイトの「画像で見る歴史」の「バス編」で、戦前、戦中を含め、一部紹介していますが、ここでは、戦後編として、昭和から平成へとバス時刻表と共に辿ります。
上記は戦後の色濃い、昭和26年のバス時刻表
岡山~津山には11往復が設定され、所要時間は、2時間10分~30分
この時刻表の裏面には、津山駅の時刻表も印刷されており、津山線には、上下16本が設定され、2時間前後で結んでいます。1往復の混合列車は2時間50分~3時間30分。姫新線には、上りは姫路、大阪、下りは十日市(三次)や、広島行きも見れます
高度成長期に入った昭和34年
岡山~津山には14往復が設定され、所要時間は2時間35分。津山止の他、岡山~奥津便、岡山~行方便の設定もあります。運賃にも注目
岡山方からは、岡山~金川~下加茂、岡山~福渡~勝山
津山方からは、福渡への区間便、西川、和田北便等
この時期運行されていた
岡山~鳥取便の乗車券
(「中鉄九十年の歩み」より)
利用者減少の要因は、他に、過疎化、少子化・生産年齢人口の減少があげられます。
上図は、岡山県のバス輸送人員・岡山・津山間のバス運行回数・自動車保有台数をあらわしたもの。(輸送人員は岡山県統計年報を参照 バス運行本数は、バス時刻表、全国バス路線便覧、岡山県バス協会発行のバス総合時刻表等を参照)
上の図は、自家用車の普及率を示したもので、昭和40年度と50年度のもの。岡山県では、昭和40年には、6~8%だったものが、10年後には、6~70%に急増。(昭和51年運輸白書より)
国道53号線の改良
昭和38年から、43年にかけ、拡幅・舗装工事が行われ、岡山~津山間は、昭和43年度に終了。街路部分の多くは、バイパスを建設。
津山線との交差部分にあった、踏切は、先のバイパスで迂回したり、立体交差化を行ったことにより、スムーズに安全に通過することが可能になり、バスの所要時間の短縮化が図られました。
後年、岡山近郊の渋滞対策、山陽自動車道、岡山空港へアクセス向上を図り岡山北バイパスが建設されました
弓削跨線橋で、津山線を跨ぐ
美咲町 小原付近の53号線
2005年(平成17年)の世帯当たりの乗用車保有台数(国土交通省資料より)
岡山~津山の運行本数はこの後も、1996年(平成8年)には、6往復、1998年には4往復、さらに2000年に2往復と削減
(中鉄バス 過去時刻表サイト参照)
道路運送法の改正(2002年2月施行)
乗合バスの路線への、参入、退出について規制緩和され、それぞれ以下の様になりました。運賃も認可制となり、上限認可化の下で事前届出制となり、以降のワンコインバスの出現等につながります。
参入:路線ごとの免許制⇒事業者ごとの許可制
退出:許可制⇒事前届け出制(原則6ヶ月前)
中鉄バス路線の廃止
中鉄バス 岡山~津山線 廃止
岡山~津山線の路線廃止と相前後して、その他の沿線路線も廃止。岡山~勝山線のように高速道経由に変わったものもあります。
コミュニティーバスの運行開始
岡山~津山線については、JR路線の利用で代替が可能ですが、その他の地域への路線については、生活維持に、公共交通の運行が不可欠であるため、廃止直後から、地方自治体等(複数の自治体に跨る場合は協議会等を設立)が運行するコミュニティーバスが運行を始めました。
あさひチェリーバス:津山~西川線の廃止に伴い、運行開始。4往復/日。中央病院、第一病院等も経由
CHUOかめっちバス:津山~和田北線の廃止に伴い、運行開始。当初,津山~和田北であったが、現在は亀甲~和田北。津山~亀甲は、県道70号線経由で、有本観光バスが運行
御津・建部コミュニティーバス:福渡~国立病院線他、平成24年岡山市のコミュニティーバスとして運行開始。
あさひチェリーバス
御津・建部コミュニティーバス
久米南町は、デマンド交通(のりあいタクシー)を運行。町内どこでも定額。神目地区を対象に福渡病院とを結ぶ予約型バス運行も開始
◆岡山エクスプレス津山号
岡山・津山間のバスが乗客減で運行が廃止されて、10年経過した2013年12月運行が開始されました。両備バス、中鉄北部バス、中国JRバスの3社の共同運行で、当初、各2往復の6往復体制でした。岡山駅西口~津山駅の所要時間は1時間35分
岡山市内3*停留所(天満屋BC、岡山駅西口、岡山大学筋)ー津山市内2停留所(津山パーキング、津山駅※)クローズドシステムがとられています。*現在は、イオンモール岡山前が追加で4停留所。※津山駅については当初、駅前の「津山広域BC」から、駅前整備により、駅前のバス停(高速バスゾーン)に変更
2014年~15年にかけ、「片道“500円”で利用できる」キャンペーンを展開し、臨時便の設定、定期化等をへて、2017年に“800円”には値上げされたものの、営業施策で値下げ運行を継続。同年夏の減便、年末には中鉄北部バスと中国JRバスが撤退。両備バスの単独運行(4往復)となり、2021/11現在もその状況が継続されています
中鉄北部バス便(津山広域バスセンター 2016-8)
中国JRバス便(津山広域バスセンター 2016-8)
単独運行になった両備バス岡山行き(津山市 河内田 2019-10)
岡山~津山の路線バスが開業してから、一世紀。第二次世界大戦後の復興・高度成長により、昭和30年代~40年代にかけバス需要の増大、道路整備等による速達性も向上する等、黄金期を迎えました。
一方、所得の向上は、マイカー需要を喚起、モータリゼーションを進展させました。高度成長は、地方においては、人口減少、人口構成の変化(生産労働人口の減少、高齢者の増加)を加速させました。これらにより、昭和50年代以降、利用者の減少が続き、減便、路線の廃止等に至りました。
しかしながら、生活維持の為に公共交通は不可欠であることから、事業者が運行を継続する路線では、維持の為に公的補助が行われ、廃止された路線は、自治体等の運営するコミュニティーバスにかわりました。
岡山・津山間の都市間輸送路線には、バス事業者が再進出しています。JR津山線と共に、公共交通の今後に注目です。