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「JR津山線はいいぞ」は、岡山と県北津山を結ぶ地方交通線。非電化で、気動車の走る路線です。私鉄の中国鉄道として開業後、国鉄・JRと120年を経て、里山の中を巡り続ける、地域公共交通と、都市間連絡を担う「JR津山線■」を中心に、発信(応援)するサイトです。
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2020-1-3 。21-9訂補
■事業の概要:平成7年から8年にかけて行われた
①行き違い駅の新設:玉柏、野々口、建部(国鉄末期に棒線化⇒復帰・1線スルー化)
②現行行違い設備の1線スルー化・信号改良(発条⇒電気転轍機):牧山、弓削、亀甲
③最高速度85⇒95km、軽量気動車導入に伴う、踏切改良
④軌道改良、補強等延べ4km(カント打上げ、緩和曲線修正、タイプレート付設か)
⑤高性能車両(キハ120)導入
■費用負担:総工費20.5億(設備:12.5億、車両:8億)
6.25億円:県・岡山、津山市で負担
2.5億円:JR
3.75億円:募金(事務局:津山商工会議所)
車両8億円(JR負担)
この、費用負担の方法は、鳥取、島根の山陰線の高速化事業のスキームの手本になっている。
事業効果・・普通・快速を10分程度短縮
平成8年12月の高速化完了ダイヤ改正では、JRのチラシによると、
普通は最高で16分、平均で10分短縮。快速は14分短縮で62分、急行は最高速度は85kmのままながら58分で岡山津山間を結ぶ。平成9年「鉄道ダイヤ情報4月号」によると、120は、下り10本、上り11本で運用されている。しかし、津山線の輸送力には不適な車両であり、JR費用負担ということもあり、津山線の運用は減少。
課せられたテーマは、「利用率アップ」
「津山線を利用を促進する会」を岡山、津山市、沿線自治体、商工会、JRで立ち上げ、①沿線情報の発信、②イベント開催、③旅行代理店との懇談会、④津山線を利用したイベントの補助等。当初は、HP(http//www.harenet.ne.jp/tsuyamasen/・・・)が各駅の紹介や、高速事業の紹介を掲載したり、岡山商工会議所が企画してハイキング等を実施していた。
1線スルー化された玉柏駅
建部、野々口、亀甲、弓削も同様に改良された。
◇更なるスピードアップ案があった:高速化事業を報じた山陽新聞の解説にも述べられているが、普通68分、快速58分、急行46分となる抜本的高速化案もあったが、車両導入27億、線路改良41億、計68億円が必要で、費用対効果の面で見送られた。
この際の計画では、箕地トンネルの改良は含まれず。急行は福渡停車となっている。
◇民間からの募金は達成されたか?:詳細は、わからないものの、平成19年度まで県、岡山市で、清算事業費を計上しており、達成できていないようである。県議会で高速化を質しても、必ずこの事業の件がでてくるのは、最近まで、事業継続していたとの、認識があるのではないだろうか?(募金未達は、地元の意識が醸成されていない)
◇高速化 その後。:平成28年3月のダイヤでは、快速は最速で、66分、普通は最速76分~98分となっている。高速化の目玉の一つであった。キハ120は、元々閑散線区向けの車両で、津山線には輸送容量の面から、40系で2両で対応なものが、3両編成が必要で、導入当初20両あった車両も16両となり、輸送量の面から、芸備、因美、姫新を中心に運用され、津山線は2往復に減少しており、速度基準の高い車両の活躍の場は大きく減少してしまった。25㎞や15㎞制限の頻出する因美線などが活躍の舞台である。
快速列車は、ことぶき(ツーマン)当初63分 現在:66分(ワンマン)
普通列車は、120で交換待ちなし、73分 現在:76分となっている。 推測であるが、尼崎事故以来、ATSの増設(曲線、分岐)と運転記録装置の設置で、速度制限のかかる距離が増えた?。又快速で使用される40系はエンジンは330PSに換装し、パワーアップ(120と同程度)しているが、車重が120に比べ10t重く、加減速性能が劣る為、スピードアップはできにくい。一軸駆動で、更なるパワーアップも困難。R300以下の曲線区間の多い津山線では最高速度で走行できる区間は限られ、停車間隔の短い、普通列車では、特に顕著である。
◇平均通過人員(人/日)輸送密度の変化:JRの発表資料と東洋経済の記事から、高速化事業時の平成8年度と平成26年度。さらに昭和62年度(JR発足)を見てみると。
・昭和62年度:4542
・平成8年度 :3702 昭和62年度100とすると、81.5
・平成28年度:3673 昭和62年度100とすると、80.8
途中各駅の乗車人数の計は、県の資料によると、平成3年と20年のグラフが示されているが、それによると津山線は60%(姫新40%、因美・芸備20%)に減少しているが、平均通過人員の増減と齟齬が生じているのは、基点駅、岡山、津山相互間の利用客が一定量あるからだと推測される。又、岡山市の資料で岡山市内の津山線利用客(~福渡)はH15⇒24で、3351⇒2776と80%である。岡山市以外の減少が大きいことがうかがえる。
◇利便性は?:平成9年3月のダイヤでは、急行5往復、快速2往復、普通14往復であったものが、
平成28年3月では、区間運転を除くと、下り20、上り22本(含快速7.5往復)でほぼ変わっておらず。岡山の始発新幹線利用可能なダイヤ、又、岡山23時台のダイヤも設定されており本線区間のようなフリクエンシーは望めないながら、相当配慮されているダイヤである。
キハ120 300番代
津山線での運用は、現在は2往復に減少。
高速化事業募金チラシ
津山線高速化事業をモデルに、島根県・鳥取県でも高速化事業が実施されました
◇島根県山陰線高速化事業
米子~益田(この内、米子-西出雲は、電化、複線化済みで、381系「やくも」の走行区間であり、事業は出雲市-益田を中心に実施。
事業内容:工期は1999/8~2001/7で、曲線部分の枕木を木からPC(プレストレスコンクリート、以下PC)へ変更。カント向上による曲線通過速度向上。駅の一線スルー化。分岐器の高交番化等
総事業費125億円。内訳は、地上設備地上工事費90億円(島根県44億円、市町村等募金委員会24億円、JR西日本22億円) 車両費(キハ187 0番代:14両、1260番代:10両)
35億円を島根県がJR西日本に無利子貸し付け。
工期 平成11年8月~平成13年7月
○駅構内通過速度向上:14駅
・一線スルー化:7駅(弾性分岐器への交換)(側線撤去等で乗り場削減駅も発生)
・棒線化(分岐器撤去):5駅(分岐器部分の減速撤廃)
・分岐器高番化:1(速度制限向上)・部分複線化:1
○軌道強化:PC枕木の敷設、バラスト追加により高速対応軌道に。
曲線通過速度30㎞アップ 最高速度:95㎞⇒110㎞(出雲市-益田)
松江-益田が1時間31分⇒1時間9分に大幅に短縮化
キハ187
500番代はATS-P搭載車で智頭鉄道経由で岡山~鳥取を結ぶ。
キハ126系
両運転台のキハ121と片運転台の126がある。
◇鳥取県高速化事業:(鳥取県のHPに掲載されている内容です)
・事業区間:山陰線(鳥取-米子)因美線(智頭-鳥取)、境線
・工期:平成13年度~15年
○地上工事
・一線スルー化:12駅
・曲線改良(左右レール間高低差拡大):18.5km
・軌道強化:PC枕木化、タイプレート更換、道床修繕
・踏切改良(鳴動開始点変更):168個所
○新型車両購入
・特急用(キハ187):12両(山陰 4、因美:8)
・快速用(キハ126,121):19両(126:10,122:9)
▷時間短縮(効果の大きいものを抜粋)
・鳥取-米子(特急:1時間10分⇒58分快速:1時間36分⇒1時間27分)
・鳥取-岡山(特急:1時間58分⇒1時間44分)
▷運行本数
・鳥取-米子(特急:3往復⇒8.5往復)
・鳥取-岡山(特急:3往復⇒6往復)
▢事業費負担:総事業費80.8億円
・地上工事費:44.8億円で内訳は、
、 県:14.9億円、市町村:7.5億円募金(委):12.4億円、JR:10億円
・車両費:36億円 JR(全額県無利子貸与)
山陰線は、県庁所在地や拠点都市間の所用時間短縮を狙った全県的施策として実施されたと考えますが、姫新線(姫路~上月)の事業については、少し違います。年々減少する利用者に危機感を持った地元が発意し、たつの市を中心「姫新線利用促進・活性化同盟会」事務局:たつの市。を組織し「チャレンジ300万人(利用者)」作戦の展開が、県を動かした、事業にいたりました。
◇姫新線輸送改善事業:速達性、快適性を求める
・工期:平成18年度~21年度
〇地上設備
・閉塞方式(特殊・電子式⇒自動(特殊)SRC(軌道回路有、コンピューター制御)
・安全側線の設置:駅への同時進入が可能となる
・軌道改良・道床整備:カント向上(曲線速度アップ)、PC枕木、タイプレート敷設(列車荷重の分散化、軌道のふく進防止)
・信号・踏切整備:踏切鳴動開始時間変更等
〇新型車両導入:キハ127(片運転台): 12両 キハ122(両運転台):7両
・目標:姫路~上月:65分以内、~播磨新宮:30分以内。最高速度:85km⇒100km
◇全体事業費:約80億円
・地上事業費:45億円(地元負担:35億(県:市町・募金は、=2:1)JR10億
・車両関係費:42.1億円(JR35億(県無利子貸付)地元7.1億(県・地元2:1)
◇平成27年度には、年間利用者301万人を達成しました。
姫路鉄道部との連携で、イベント等開催しています。
キハ127系
両運転台のキハ122と片運転台の127がある。
安全側線
過走時に側線に入れて脱線させ、正面衝突を防止。列車交換時の同時進入が可能となる
枠内の表は別画面で、リンク先も、この枠内に表示されます。スマホ画面では、枠右にあるスクロールバーを操作し、ご覧ください。リンク先更新(2020-4)。別ウインドウで開きます。
※1:輸送密度の数値は本表作成時のものとなり最新のものとはは異なります.。JR西日本のHP等を参照
・JR因美線・姫新線・芸備線近代化促進協議会(事務局:津山市)
・JR姫新線・因美線・芸備線を利用する会(事務局:岡山県)
・「津山線利用を促進する会」
(事務局:岡山商工会議所H8設立)
※輸送密度(平均通過人員):乗客の1日1km当たりの人数。輸送規模の指標
・芸備線(備中神代~東城):84、(東城~備後落合):8
・活性化事業をwebで確認できたものは、そこへリンクしています。リンクしないものはHPがないか、見つからなかったもの。
・国鉄時代には、先の輸送密度4,000特定地方交通線に指定され、鉄道廃止、第3セクター化、バス転換が図られた。(道路交通の整備状況で対象外になったものもある)。一般的に、1,000以下では、鉄道としてなりたたないと言われている。
(中央町)
町の活性化センター
平成7年亀を模した駅舎に改築。食堂・図書室等を備えている。亀甲駅
ラッピング列車
平成24年、卵を核とした、幸福物語のたまご列車運行。県主体の美作国建国1300年記念NARUTO列車も運行。
アンテナSHOP
弓削駅の誕生寺支援学校の「野の花ショップ夢元」。
神目駅舎
神目駅は改築され神社風に、町の管理だが、地元の方も清掃等されているのだろう。
ノスタルジーのおもてなし
2018/6地酒列車運行時、弓削駅でのおもてなし
■「カッピー号」の運行
平成10年、川柳大会開催にあわせヘッドマーク掲示の列車を1ヶ月運行。上のアンダーライン部から
画像をクリックするとそれぞれの項にリンクします
ノスタルジー・おもてなし①
団体臨時列車運転時、地元有志の方による“はっぽね太鼓”福渡駅2016.4.2
ノスタルジー・おもてなし②
入区体験臨時列車運転時、地元有志の方による建部駅でのおもてなし(岡山弁の駅紹介等)2017.9.23
ノスタルジー・おもてなし③
福渡長時間停車の運行では、恒例となった、おもてなし(地酒列車クラブツーリズム)
福渡駅 2018.6
年末の建部駅の大掃除
地元の中学生、大人達の有志により、帰省の皆さんに気持ちよく駅を利用してもらおうと、実施されました。2019-12
卒業を前に大掃除
建部医療福祉専門学校3年生が、通学でお世話になった福渡駅、町の掃除を行いました 2022-2
JRにより推進されている、
「ふるさとおこし プロジェクト」で、津山線関係では
①牧山駅から、潜水橋を渡っておよそ5分の牟佐大久保のひまわり畑へ、列車で行こう※。という取り組みが行われ
ポスターの作製や、岡山駅や、SNS等での情報発信。乗降客で、賑わう牧山駅がSNSで紹介されていました。
②プレデステネーションキャンペーンにあわせ、7~9且に6回運行された臨時列車「美作国 やまもり号」(岡山~津山)では、亀甲駅での停車時間を利用した、「たまごかけご飯」のふるまいが行われました。列車運行の様子はこちらから(当サイトの紹介ページへ)
③あの町この駅、“ノスタルジック町並と旭川の風景に出会う「福の町」”と福渡駅が紹介されています。こちらから(ふるさとプロジェクトの紹介ページへ)
※下線部は「ふるさとおこし プロジェクト」のサイトにリンクしています